ゲンダイネットさんのサイトより http://gendai.net/articles/view/syakai/139074 <転載開始> 「おもてない」はプリクラだけ
<英誌は「お粗末な主催国」と酷評>
9日に東京と仙台で開幕したIMFと世界銀行 の年次総会は国際的なビッグイベントだ。日本で の開催は実に48年ぶり。14日までの期間中に は、加盟188カ国から官民合わせて約2万人が 来日する。いずれも、世界を動かす金融・財政政 策のトップばかりだ。 「年次総会は3年に1度だけ、IMFと世銀の所 在地・米ワシントン以外の加盟国で行う。つま り、オリンピック並みに回ってこない。今年はエ ジプト開催の予定でしたが、政情不安のために断 念。そこで日本が『震災からの復興』を世界にア ピールしようと名乗りを上げて、開催の運びと なったのです」(財務省関係者) 中国閣僚の欠席でミソをつけたとはいえ、日本 のセールスポイントを世界に伝える絶好のチャン スだし、並み居るVIPと交流を深めれば、その 後のビジネスチャンスになる。日本の文化や先端 技術をアピールすれば、低迷する経済の起爆剤と なる。それなのに、あろうことか、日本は財務相 が交代したばかりのド素人。みすみすチャンスを 逃しているようなものだ。 案の定、英経済誌「エコノミスト」に〈日本は お粗末な主催国。こんな経済外交を展開してはい けないという教訓を与えてくれた〉と酷評される 始末だ。 48年前は東京五輪と開催時期が重なり、当時 の田中角栄蔵相の「1回のIMF総会は、100 回の国際見本市に相当する」という大号令のも と、華々しい総会を演出したものだ。しかし、今 回は何もしていないも同然だ。 「総会を仕切る財務省がテンでなっちゃいないの です。接待を受ける側には慣れっこでしょうが、 世界のVIPのもてなし方は勉強不足。開催直前 まで、あらゆる料理研究家に声をかけ、『日本食 は何を振る舞えばいいか』『どんな土産なら喜ば れるか』『VIPはどこに招待すべきか』と、イ チから教わっていました」(あるフードジャーナ リスト)
<日本売り込みの機会を自ら潰す愚>
この体たらくだから、メーン会場(東京国際 フォーラムと帝国ホテル)の周辺地域との連携も 不十分だ。すぐそばには銀座、有楽町、日本橋と 日本有数の商業地域が広がっているのに、宝の持 ち腐れである。 「メーン会場に設置された“おもてなし”の切り札 は、歌舞伎役者や桜などの背景を選んで記念撮影 できる『プリクラ』程度……。政府は日本を売り込 むチャンスを自ら潰しています」(民間シンクタ ンク研究員) 総会開催には約90億円の血税がつぎ込まれて いるが、結果は世界に恥をさらしただけ。途方も ないムダ遣いである。
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